苦学楽学塾

　C言語の入出力関数を以下に掲げます。ファイル・ポインタを通して入出力を行う高水準関数と、ファイル・ディスクリプタを介して入出力を行う低水準関数の2通りあります。

　ファイルを高水準関数(ファイル・ポインタで操作する)でopenするときのmodeには、"r"(読み込みモード)，"w"(書き込みモード)，"a"(追加書き込みモード)，"r+"(読み書きモード)，"w+"(読み書きモード)，"a+"(読み込み追加書き込みモード)が指定できます。mode="r"，mode="a"でopenしようとしたのにファイルが存在しないと、エラーになります。mode="w"，mode="w+"でopenすると、既にそのファイルが存在していた場合、既存の内容は破棄されます。mode="a"，mode="a+"でopenすると、既存の内容の後ろに書き込みが行われます。

　fprintf()，printf()，sprintf()，vfprintf()，vprintf()，vsprintf()のformat引数の書き方については、C言語の主要関数のprintf()の説明を参照してください。

　fscanf()，scanf()，sscanf()，vfscanf()，vscanf()，vsscanf()のconv引数内で指定する変換指定は、

ファイル操作でエラーが発生した場合、errnoにエラー番号がセット(<errono.h>をincludeしてください)される場合は、printf("%s\n", strerror(errno));とすることにより、エラーメッセージを表示させることができます。

int chdir(char *pathname)

　カレント・ディレクトリをpathnameディレクトリに変更します。成功すると0，失敗すると－1を返します。<unistd.h>をincludeしてください。

int chmod(char *pathname, mode_t permission)

　pathnameで指定したファイルのpermissionを第2引数の指定に変更します。成功すると0，失敗すると－1を返します。<sys/stat.h>をincludeしてください。Windowsの場合、権限がからんでこの設定通りにいかないことがあります。

　modeは、以下の各フラグの論理和をとります。

一番緩い設定はmode = 0x777で、ファイルは誰にも解放されています。mode = 0にしてしまうとファイルの存在の意味が失われます。自分ひとりが操作できれば良いというのであれば、mode = 0x700とします。

int close(int fd)

　低水準ファイルclose関数です。ファイル・ディスクリプタfdで指定されるファイルをcloseします。成功すると0，失敗すると－1を返します。<unistd.h>をincludeしてください。

int closedir(DIR *pd1)

　ディレクトリ・ポインタpd1で指定されるディレクトリをcloseします。正常にcloseすると、0を返します。<dirent.h>をincludeしてください。

int creat(char *pathname, mode_t permission)

　低水準ファイル生成関数です。open(pathname, O_CREAT | O_WRONLY | O_TRUNC, permission)と同じ動作をします。第2引数のpermissionについては、chmod()関数を参照してください。

int fclose(FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定されるファイルをcloseします。正常にcloseすると、0を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

FILE *fdopen(int fd, char *mode)

　低水準関数でopenされている場合に、ファイル・ディスクリプタfdに対応するファイル・ポインタを返します。modeは上記を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

int feof(FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定されるファイルのEOF(End of File)に到達している場合に0以外の値、EOFに到達していない場合に0を返します。読み込みが完了しているかどうかの確認をすることができます。<stdio.h>をincludeしてください。

int ferror(FILE * pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定されるファイルにエラーが発生している場合に0以外の値を返します。エラーが発生していなければ0を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int fflush(FIILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定されるファイルのバッファに溜まっている内容を出力し、バッファをクリアします。正常終了すれば0を返します。エラーが発生すると、EOF(－1)を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int fgetc(FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルから1文字読み込んで返します。ファイル末尾に到達しているかエラーが発生するとEOFを返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int fgetpos(FILE *pf1, fpos_t *pos)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイル上の位置をposの指す変数に返します。正常終了すると0を返します。異常終了すると0以外の値を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

char *fgtes(char *buffer, int n, FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルから文字列末尾の0を含めてn文字分をbufferに読み込みます。bufferのサイズはnバイト以上必要です。正常終了すると、bufferの値を返します。エラーが発生するとNULLを返します。<stdio.h>をincludeしてください。なお、C言語の主要関数のfgets()の解説を参照してください。

int fileno(FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルのファイル・ディスクリプタを返すマクロです。異常終了すると－1が返ります。<stdio.h>をincludeしてください。

FILE *fopen(char *filename, char *mode)

　filenameに指定するファイル名のファイルをopenし、ファイル・ポインタを返します。modeは上記を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

int fprintf(FILE *pf1, char *format, ...)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルに、printf()関数の第1引数と同様の書式指定文字列formatに従って、第3引数以降のデータを出力します。<stdio.h>をincludeしてください。

int fputc(int c, FILE *pf1)

　文字cをファイル・ポインタpf1で指定するファイルに書き込みます。正常終了する場合は、文字cを返します。エラー発生時はEOFを返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int fputs(char *string, FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルに、文字列stringを書き込みます。文字列末尾の0は書き込みません。正常終了時は0以上の値を返します。エラー発生時はEOFを返します。<stdio.h>をincludeしてください。なお、C言語の主要関数のfputs()の解説を参照してください。

size_t fread(void *buffer, size_t size, size_t count, FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルから、bufferに、size×countバイトだけ読み込みます。読み込みできたcountを返します。<stdio.h>をincludeしてください。

FILE *freopen(char *filename, char *mode, FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルを閉じて、filenameで指定するファイルopenし、ファイル・ポインタを返します。modeについては上記を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

int fscanf(FILE *pf1, char *conv, ...)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルから変換指定文字列convに従って、3番目以降の引数のポインタが指す先の変数にデータを読み込み、読み込んだフィールド数を返します。エラー発生時は、EOFを返します。convについては、上記を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

int fseek(FILE *pf1, long offset, int origin)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイル上の位置をoriginで指定する基準位置からoffsetバイトずれる位置に移動させます。originは、SEEK_SET(ファイルの先頭)，SEEK_CUR(ファイル上の現在位置)，SEEK_END(ファイルの末尾)のいずれかを指定します。正常終了の場合0を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int fsetpos(FILE *pf1, fpos_t *pos)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイル上の位置をposの値に設定します。通常は、fgetpos()関数で取得した値です。正常終了の場合は0を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

long ftell(FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイル上の位置を返します。エラー発生時は－1を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

size_t fwrite(void *buffer, size_t size, size_t count, FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルに、buffer以降のsize×countバイトのデータを書き出し、書き込んだcount数を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int getc(FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイルから1文字読み込んで返すマクロ。速いが、セキュリティ上からは同様機能の関数fgetc()の使用が望ましい。<stdio.h>をincludeしてください。

int getchar()

　標準入力から1文字読み込んで返します。<stdio.h>をincludeしてください。

char *getcwd(char *buffer, size_t size)

　カレント・ディレクトリの名前をbufferに格納します。sizeにbufferのサイズを指定しますが、bufferは充分な大きさでなければなりません。成功すると絶対パスへのポインタを返し、失敗するとNULLを返します。<unistd.h>をincludeしてください。

char *gets(char *buffer)

　標準入力から1行分読み込んでbufferに格納します。セキュリティー上の問題があり使わないこと。代わりに、fgets()関数を使うこと。

int mkdir(char *pathname, mode_t permission)

　pathnameで指定される名前のディレクトリを作成します。第2引数にpermissionを設定します。成功すると0，失敗すると0以外を返します。<unistd.h>をincludeしてください。

int open(char *pathname, int option, mode_t permission)

　低水準ファイルopen関数です。pathnameを指定してファイルをopenし、ファイル・ディスクリプタを返します。optionは、O_RDONLY，O_WRONLY，O_RDWRのいずれかと、O_APPEND(追記でopen)，O_CREAT(ファイルを生成してopen)，O_TRUNC(既存のファイルならサイズを0にしてopen)，O_TEXT，O_BINARYのうちの任意のものとの論理和を指定します。optionでO_CREATを指定した場合のみ、第3引数でpermission(chmod()関数を参照)を指定します。openに失敗した場合、－1を返します。<fcntl.h>をincludeしてください。

DIR *opendir(char *dirname)

　ディレクトリ名dirnameを指定して、ディレクトリをopenし、ディレクトリ・ポインタを返します。正常終了できない場合、NULLが返ります。<dirent.h>をincludeしてください。

int printf(char *format, ...)

　書式文字列formatの指定に従って、標準出力に文字出力します。出力される文字数を返します。<stdio.h>をincludeしてください。なお、C言語の主要関数のprintf()の解説を参照してください。

int putc(int c, FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定されるファイルに1文字cを書き込むマクロ。書き込んだ文字を返します。エラー発生時は、EOFを返します。<stdio.h>をincludeしてください。

putchar()

　標準出力に1文字cを書き込みます。書き込んだ文字を返します。エラー発生時はEOFを返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int puts(char *string)

　標準出力に文字列stringを、'\n'を付加して出力します。正常終了の場合は負でない整数を返します。エラー発生時はEOFを返します。<stdio.h>をincludeしてください。

ssize_t read(int fd, void *buffer, size_t size)

　低水準ファイル読み込み関数です。ファイル・ディスクリプタfdで指定されるファイルから、バッファbufferに、sizeバイトだけ読み込みます。bufferは充分なサイズを持っている必要があります。正常に読み込めた場合には読み込んだバイト数を返します。失敗したときには－1を返します。<unistd.h>をincludeしてください。

struct dirent *readdir(DIR *pdir1)

　ディレクトリ・ポインタpdir1で指定するディレクトリから1つエントリを取り出し、エントリの情報を有するdirent構造体へのポインタを返します。1つエントリを取り出すと、次のエントリに移り、最後のエントリを取り出してしまうとNULLを返します。NULLが返るまでwhileループで繰り返してreaddir(pdir1)を呼び出すことにより、ディレクトリ内の全ファイルを走査できます。readdir(pdir1)の戻り値をpdirに入れると、pdir->d_typeでエントリがディレクトリ(DT＿DIR)なのか、ファイル(DT_REG)なのか、また、pdir->d_nameでエントリ名(ファイル名またはディレクトリ名)を取得できます。<dirent.h>をincludeしてください。

int remove(char *filename)

　filenameという名前のファイルを削除します。正常終了の場合0を返します。エラー発生時は0以外の値を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int rename(char *oldname, *newname)

　oldnameという名前のファイルのファイル名をnewnameに変更します。正常終了の場合0を返します。エラー発生時は0以外の値を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

void rewind(FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定するファイル上の位置をファイル先頭に戻します。<stdio.h>をincludeしてください。

void rewinddir(DIR *pdir1)

　ディレクトリ・ポインタpdir1で指定するディレクトリ内で、最初のエントリに戻します。<dirent.h>をincludeしてください。

int rmdir(char *pathname)

　pathnameで指定するパス名のディレクトリを削除します。事前にディレクトリ内のファイル、サブディレクトリを削除しておく必要があります。成功すると0を返し、ディレクトリ内が空でないと失敗し0以外を返します。<unistd.h>をincludeしてください。

int scanf(char *conv, ...)

　標準入力から変換指定文字列convに従って、2番目以降の引数のポインタが指す先の変数にデータを読み込み、読み込んだフィールド数を返します。エラー発生時は、EOFを返します。convについては、上記を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

void setbuf(FILE *pf1, char *buffer)

　C言語では、ファイルの入出力のために内部的にバッファを確保しますが、この関数を用いて別のバッファを指定することもできます。setbuf()はファイル・ポインタpf1の指定するファイルのバッファとしてbufferを使うように指定します。但し、bufferの大きさは、マクロ定義されているBUFSIZとします。<stdio.h>をincludeしてください。

int setvbuf(FILE *pf1, char *buffer, int type, size_t size)

　ファイル・ポインタpf1の指定するファイルのバッファとしてbufferを使うように指定します。typeには、_IOBUF(バッファが満杯になるまでバッファする)，_IOLBUF(改行文字が来るかバッファが満杯になるまでバッファする)，_IONBUF(バッファを使わない)のいずれかを指定します。sizeはバッファのサイズです。正常終了時には0を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int sprintf(char *buffer, char *format, ...)

　buffer以降に、printf()関数の第1引数と同様の書式指定文字列formatに従って、第3引数以降のデータを出力します。書き込んだ文字数を返します。<stdio.h>をincludeしてください。なお、formatについては、C言語の主要関数のprintf()の解説を参照してください。

int sscanf(char *buffer, char *conv, ...)

　buffer以降から、変換指定文字列convに従って、3番目以降の引数のポインタが指す先の変数にデータを読み込み、読み込んだフィールド数を返します。エラー発生時は、EOFを返します。convについては、上記を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

int stat(char *pathname, struct stat *ps1)

　pathnameで指定されるパス(ファイルまたはディレクトリ)の情報を取得し、psに格納します。成功すると0，失敗すると－1が返ります。<sys/stat.h>をincludeしてください。以下のようなことを調べることができます。

FILE *tmpfile()

　一時ファイルをopenし、ファイル・ポインタを返します。NULLを返す場合は失敗しています。<stdio.h>をincludeしてください。

char *tmpnam(char *filename)

　既存のファイル名と重複しないようなファイル名を生成し、filename以降に格納します。filenameとしてNULLを指定した場合には、内部的に保持します(最大TMP_MAX個)。いずれも、成功すれば、生成したファイル名を指すポインタを返し、失敗するとNULLを返します。<stdio.h>をincludeしてください。

mode_t umask(mode_t mask)

　ファイルやディレクトリ作成時のマスクを指定します。ここで1に指定したビットは、open()，mkdir()，creat()関数では、permisionのビットは0になります。<sys/stat.h>をincludeしてください。Windowsの場合、この設定通りにいかないことがあります。

int ungetc(int c, FILE *pf1)

　ファイル・ポインタpf1で指定されるファイルから読み込んだ文字cを、ファイル上の位置に戻します。ファイルから次に読み出す文字はcです。<stdio.h>をincludeしてください。

int vfprintf(FILE *pf1, char *format, va_list ap)

　可変個数引数マクロを利用する書式付き出力関数です。ファイル・ポインタpf1で指定されるファイルに、printf()関数の第1引数と同様の書式指定文字列formatに従って、va_list型apに並んでいる変数のデータを出力します。正常終了すると、書き込んだバイト数を返します。formatについては上記を参照してください。エラーが発生すると負値を返します。<stdio.h>と<stdarg.h>をincludeしてください。以下、頭文字がvになる関数については、C言語のその他の関数の1．実行制御関数の可変長引数マクロ、va_arg，va_copy，va_end，va_startの説明を参照してください。

int vfscanf(FILE *pf1, char *format, va_list ap)

　可変個数引数マクロを利用し、ファイル・ポインタpf1で指定されるファイルから、変換指定文字列convに従って、va_list型apに並んでいるポインタの指す変数にデータを読み込み、読み込んだフィールド数を返します。エラー発生時は、EOFを返します。convについては、上記を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

int vprintf(char *format, va_list ap)

　可変個数引数マクロを利用し、標準出力にprintf()関数の第1引数と同様の書式指定文字列formatに従って、va_list型apに並んでいる変数のデータを出力します。formatについてはprintf()関数を参照してください。正常終了すると、書き込んだバイト数を返します。エラーが発生すると負値を返します。<stdio.h>をincludeしてください。

int vscanf(char *conv, va_list ap)

　可変個数引数マクロを利用し、標準入力から変換指定文字列convに従って、va_list型apに並んでいるポインタの指す変数にデータを読み込み、読み込んだフィールド数を返します。エラー発生時は、EOFを返します。convについては、上記を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

int vsprintf(char *buffer, char *format, va_list ap)

　可変個数引数マクロを利用し、buffer以降にprintf()関数の第1引数と同様の書式指定文字列formatに従って、va_list型apに並んでいる変数のデータを出力します。書き込んだバイト数を返します。formatについてはprintf()関数を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

int vsscanf(char *buffer, char *conv, va_list ap)

　可変個数引数マクロを利用し、buffer以降から、変換指定文字列convに従って、va_list型apに並んでいるポインタの指す変数にデータを読み込み、読み込んだフィールド数を返します。エラー発生時は、EOFを返します。convについては、上記を参照してください。<stdio.h>をincludeしてください。

ssize_t write(int fd, void *buffer, int size)

　低水準ファイル書き込み関数です。ファイル・ディスクリプタfdで指定されるファイルに、buffer以降のsizeバイトを書き込みます。書き込めた場合には、書き込んだバイト数を返します。失敗した場合は、－1を返します。<unistd.h>をincludeしてください。

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