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最終更新日：2024年12月28日
JavaScriptの例外処理は、Pythonに比べるとかなり弱い気がします。例外一般に適用するというよりも、デバグ時にプログラム中の差し当たって問題となる部分で活用するツールという感じがします。JavaScriptの例外処理は、基本的に以下の構造をしています。
try{ 例外の起きる可能性のある処理 }
catch(error){ 例外が起きた時の処理 }
finally{ 例外が起きても起きなくても最後に行う処理 }
ここで、try{}の処理中に例外を発生させたいような状況を検出した時に、throw文を使います。throw new Error("エラー・メッセージ");として、エラー・オブジェクトErrorのインスタンスを投げる、というように使います。例外発生可能性がある部分をtry{}で囲わないといけないので、ある特定の部分に対して、つまり、デバグや問題発生時に問題を把握するために使う、ということだと思います。なお、例外処理を行わないと、そこでプログラムは停止してしまいます。
例外機能のテスト・プログラムのHTMLソース・コードはこちら。テスト・プログラムは、以下の<script>～</script>のようになっています。
<html lang="ja">
<head>
<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=UTF-8">
<title>JavaScriptのテスト</title>
<style type="text/css">
p{color:black;font-size:medium}
input{font-size:large}
</style>
</head>
<body style="background-color:white">
<p>JavaScriptのテストをします。</p>
<script>
// 例外のテスト
try {
var count = 1;
var x1 = 1;
var x2 = 0;
var x3 = x1 / x2;
// divide-0 errorは発生しない
console.log("x1:"+x1+", x2:"+x2+", x3:"+x3);
var x5 = x4;
}
catch(error) {
console.log('\x28'+(count++)+'\x29'+error.name+': '+error.message+'\n'+error.stack);
}
try {
func1();
}
catch(error) {
console.log('\x28'+(count++)+'\x29'+error.stack);
}
try {
let x4 = 0;
x4();
}
catch(error) {
console.log('\x28'+(count++)+'\x29'+error.stack);
}
try {
func2();
function func2() {
let x4 = 0;
x4();
}
}
catch(error) {
console.log('\x28'+(count++)+'\x29'+error.stack);
}
try {
const x4 = 0;
x4 = "aaa";
console.log(x4);
}
catch(error) {
console.log('\x28'+(count++)+'\x29'+error.stack);
}
try {
var ar1 = new Array(-1);
}
catch(error) {
console.log('\x28'+(count++)+'\x29'+error.stack);
}
try {
var str1 = "New Error"
throw new Error(str1);
}
catch(error) {
console.log('\x28'+(count++)+'\x29'+error.stack);
}
finally {
alert("終了します。");
}
</script>
</body>
</html>
上記プログラムの結果は最後の「終了します。」を除き、consoleに出力されます。まず、0で割る割り算をチェックしています。JavaScriptでは、0で割ってもInfinityになりエラーにならず、例外も発生しません。
次に、var x5 = x4;として、未定義の変数x4を参照しています。(1)番目の例外、ReferenceError例外が発生し、catch(error)のところで、エラー・オブジェクトerrorに、例外状況が入ります。エラー・オブジェクトは、name，message，stackの3つのプロパティを持っています。ここでは、nameプロパティに"ReferenceError"が入り、messageプロパティには"x4 is not defined"と入ります。stackプロパティには、どこで例外が発生したかという情報だけでなく、
"ReferenceError: x4 is not defined
at file:///C:/･･････/jtest16.html:21:11
というように(･･････のところにはjtest16.htmlの居場所が入ります)入っていて、nameとmessageの内容も入っているので、以降については、nameとmessageは省略して、stackプロパティのみconsoleに出力しています。なお、プログラムでは、何番目の例外かを示すために番号を付けています。
(2)番目の例外では、未定義の関数func1()を起動しようとして、ReferenceError例外が発生します。(3)番目の例外では、変数として定義したx4を関数として起動しようとして、TypeError例外が発生します。(4)番目の例外では、関数func2()を起動し、func2()の中で変数として定義されたx4を関数として起動しようとして、TypeErrorが発生しますが、stackプロパティには、関数func2()の中で例外が発生した、という情報も入ります。
(5)番目の例外では、const x4として定義されたx4に代入しようとして、TypeError例外が発生します。定数に再代入されているというmessageが出ます。(6)番目の例外では、要素数に－1を指定し配列を作ろうとして、不正な要素数ということで、RangeError例外が発生します。(7)番目の例外では、try{}の中で、throw文により、"New Error"というError例外が発生しています。
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