阪大理系数学'25年前期[5]
投げたときに表と裏の出る確率がそれぞれ
のコインがある。A,B,Cの3文字をBACのように1個ずつ並べて得られる文字列に対して、コインを投げて次の操作を行う。
・表が出たら文字列の左から1文字目と2文字目を入れかえる。
・裏が出たら文字列の左から2文字目と3文字目を入れかえる。
例えば、文字列がBACであるときに、2回続けてコインを投げて表、裏の順に出たとすると、文字列はBACからABCを経てACBとなる。
最初の文字列はABCであるとする。コインをn回続けて投げたあとの文字列がABCである確率を
とし、BCAである確率を
とする。
(1) kを正の整数とするとき、
を求めよ。 (2) nを正の整数とするとき、
を求めよ。
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解答 樹形図を書いてみれば、偶数回目を問題にしているカラクリはすぐ分かります。
A,B,Cの3文字を並べてできる文字列は
通りあります。
最初の文字列がABCであるとしたときの樹形図を右図に示します。右図より、
,
,
,
,
,
・・・@
右図を見ると、偶数回目にできる文字列はABC,BCA,CABのどれかで、奇数回目にできる文字列はBAC,ACB,CBAのどれか、ということが分かります。これを確認しておきます。
文字列がABCのとき、表が出るとBAC,裏が出るとACBになります。
文字列がBCAのとき、表が出るとCBA,裏が出るとBACになります。
文字列がCABのとき、表が出るとACB,裏が出るとCBAになります。
つまり、文字列がABCかBCAかCABのときに次にできる文字列はACBかBACかCBAのどれかです。
文字列がACBのとき、表が出るとCAB,裏が出るとABCになります。
文字列がBACのとき、表が出るとABC,裏が出るとBCAになります。
文字列がCBAのとき、表が出るとBCA,裏が出るとCABになります。
つまり、文字列がACBかBACかCBAのときに次にできる文字列はABCかBCAかCABになります。
以上より、最初の文字列がABCであるとき、偶数回目にできる文字列はABC,BCA,CABのどれかで、奇数回目にできる文字列はBAC,ACB,CBAのどれかです。

回めに文字列がABC(確率
),あるいはBCA(確率
),あるいはCAB(確率
)だったとき、続く2回のコイン投げの結果の樹形図を右図に示します。
これより、
回目に文字列がABCになるのは、
回目に文字列がABC(確率
)で表表と出る(確率
)か裏裏と出る(確率
)とき、または、
回目に文字列がBCA(確率
)で裏表と出る(確率
)とき、または、
回目に文字列がCAB(確率
)で表裏と出る(確率
)ときです。よって
回目に文字列がABCとなる確率
は、
・・・A また、右図より、
回目に文字列がBCAになるのは、
回目に文字列がABC(確率
)で表裏と出る(確率
)とき、または、
回目に文字列がBCA(確率
)で表表と出る(確率
)か裏裏と出る(確率
)とき、または、
回目に文字列がCAB(確率
)で裏表と出る(確率
)ときです。よって
回目に文字列がBCAとなる確率
は、
・・・B
(1) A−Bより、
これより、数列
は、@より初項
,公比
の等比数列です。
よって、
......[答]
・・・Cよって、
A−Cより、 これより、数列
は、@より初項
,公比
の等比数列。
よって、
∴
・・・Dkを0以上の整数として、nが奇数、つまり、
,
のとき、上記より、文字列がABCになることはなく、文字列がABCである確率は0です。nが偶数、つまり、
,
のときにはDより よって、nが奇数のとき
,nが偶数のとき
......[答] 注.上記では、(1)でkを0以上の整数、(2)でnを0以上の整数として解答しましたが、正の整数は、0以上の整数の中に含まれます。
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